「みてみて!これどう?」
 

「ビミョー。」


「んー。じゃあこっちは?」


服を持ってきては、俺に尋ねる。

俺を連れてきて何がしたいんだ、コイツ。

何を着てるとか、似合っているかとか、さらさら興味が無い。

はっきり言って・・・趣味が合わない。


「決めた、このスカートにする。

 レジ行ってくるから、凛はここで待っててね。」


鮮やかな橙が目に入ったとき。

俺は、きれいだと思った。

によく似合いそうな、色だった。


「お待たせー。」


・・・そう、色そのものは悪くない。

だが、デザインといい、素材といい、俺の趣味じゃない。


「なぁ。今度、俺に付き合え。」


「ん?いいけど、どこに?」


「服買いに行く。」


「びっくりした!珍しいね。」


うるせぇな。


「いいよー。」


”服を買う”約束はした。

俺好みに仕上げてやる。





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後日

江ちゃんに「○○な服ってどこで売ってる。」とか

「109って、どこだ。」とか

頻繁にメールしてたことがバレて、

(恋人に訊けないお兄ちゃんカワイイ)とか思われて

恥ずかしくなる松岡凛がいたとかいないとか。